何度も練習した式を、また子どもがまちがえる。そんなとき、つい「きのうも言ったよね」と口に出てしまうことがあります。親としては自然な反応ですが、九九の練習では、まちがえたときの一言がその後の取り組み方に響きます。
この記事では、まちがえたときに避けたい言い方と、言いかえの例を紹介します。
まちがえるのは、覚える途中だから
九九は全部で81の式があり、似た音の唱え方もたくさんあります。覚える途中でまちがえるのは当たり前のことです。まちがえた式は、そのまま「にがてリスト」(1日5分の練習で紹介)に入れる候補です。どの式でつまずくかが分かれば、次の練習で何をすればよいかがはっきりします。
避けたい言い方
- 「なんでこんなのも分からないの」
- 「きのうできたでしょ」
- 「〇〇ちゃんはもう全部言えるって」(ほかの子と比べる)
- 「ちがう!」と強く言って、すぐに正しい答えを言ってしまう
- ため息をつく、だまってしまう
こうした反応が続くと、子どもはまちがえないことを優先するようになります。自信のない式で答えるのをためらったり、練習そのものを避けたりするようになると、覚える機会がかえって減ってしまいます。
言いかえの例
| 場面 | 言いかえの例 |
|---|---|
| 答えをまちがえた | 「おしい。もう一回、式を見て言ってみよう」 |
| 答えが出てこない | 「ひとつ前の答えは覚えてる?」 |
| 同じ式を何度もまちがえる | 「これ、まちがえやすい式だね。にがてリストに入れておこう」 |
| 似た式と混ざった | 「しちしと、しちく。音が似てるね。並べて言ってみようか」 |
| 何回か後に言えた | 「さっきまちがえた式、言えたね」 |
どの例も、次に何をすればいいかを言っています。
答えを教える前に、手がかりを出す
子どもが答えにつまったとき、すぐに答えを言ってしまうと、その場は早く進みます。でも、自分で思い出す機会がなくなります。答えを言う前に、次のような手がかりを1つ出してみてください。
- ひとつ前の式:「7×5は35だったね。そこから7増えると?」
- 入れかえた式:「6×7は覚えてるかな。7×6と同じ答えだよ」
- 意味に戻る:「7こずつ6つ分だね。絵にかいてみようか」
手がかりを使って自分で答えを出せたら、そのことをそのまま認めてあげてください。「自分で思い出せたね」と言われると、子どもは次につまずいたときにも、同じように考えようとします。
プリントやドリルでまちがえたとき
書いて答える宿題でまちがいを見つけたときは、大人が赤で直してしまう前に、「この中に1つ、もう一度見てほしい答えがあるよ」と伝えて、子ども自身に探させる方法もあります。自分で見つけて直した式は、言われて直した式より記憶に残りやすいものです。見つからなければ、その行を指さすだけにして、答えは子どもに言わせてください。
ほめるときは、具体的に
「すごいね」「えらいね」だけでも、言われればうれしいものです。それに加えて、何がよかったのかを具体的に言うと、子どもは何を続ければよいかが分かります。
- 「きのうよりつまらずに言えたね」
- 「7の段、最後まで自分で言えたね」
- 「まちがえたところ、すぐに言い直せたね」
結果だけでなく、続けたことや工夫したことに目を向けてほめるのもよい方法です。全部の段が言えるようになるのは先のことでも、毎日の練習の中には小さな「できた」がいくつもあります。それを拾って言葉にしてあげると、子どもは自分が進んでいることに気づけます。
大人がイライラしてきたら
練習の相手をしていて、大人のほうが疲れてくることもあります。そんなときは、無理に続けるより、その日の練習を早めに終えるほうがよい場合があります。「今日はここまで。また明日やろう」で終えてかまいません。
毎日の練習を短くしておくと、大人の負担も小さくなります。練習の組み立て方は「家でできる1日5分の九九の練習」をご覧ください。
無料ゲーム「くくの ほしあつめ」も、まちがえたときは赤い×やブザー音を使わず、正しい答えと唱え方を見せる作りにしています。
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